実は過半数が肥満気味?見た目にだまされない健康体型のチェック方法

実は過半数が肥満気味?見た目にだまされない健康体型のチェック方法

はじめに

最近の調べでは、犬の半分以上・猫の約半分 が太り気味だとわかっています。でも、飼い主が自分のペットを「太っている」と感じている割合は 2 割程度しかありません。ふわふわの毛や「この犬種はずんぐり体型だから」という思い込みで、余分なぜい肉を見逃しているケースが多いのです。この記事では、専門機器がなくてもできる体型チェックのしかたと、ムリなく体重を減らすコツをわかりやすく紹介します。


第1章 どうして太りすぎに気づきにくいの?

1-1 “かわいい”は要注意サイン

丸いほっぺやコロッとしたお腹を見ると、つい「かわいい!」と思ってしまいます。けれど、その丸さは余分な脂肪かもしれません。特に顔がぺちゃんこの犬(パグなど)や、毛が長い猫は太っていても分かりにくいので要注意。

1-2 フードの宣伝にひっぱられる

「食べ放題でも太りにくい」などのキャッチコピーを信じて、ついごはんやおやつをあげすぎていませんか? 袋に書いてある1日の量を超えないように計量スプーンやキッチンスケールで確認しましょう。


第2章 体型を調べるいちばん簡単な方法 BCS

2-1 BCS(ボディ・コンディション・スコア)とは?

BCSは 1〜9 までの点数 で体型を評価するチェック表です。

  • 1〜3 やせすぎ:肋骨(ろっこつ)がゴツゴツ触れる。腰のくびれがはっきり見える。

  • 4〜5 ちょうどいい:肋骨は軽く触れる。上から見ると腰が少しくびれている。

  • 6〜7 ちょっと太め:肋骨を押さないと触れない。腰のくびれが分かりにくい。

  • 8〜9 肥満:肋骨が全然触れない。上から見て樽(たる)のような形。

2-2 実際にさわってみよう

  1. ペットを立たせる。

  2. 両手で軽く肋骨に触れる。薄い脂肪越しに骨が感じられれば OK。脂肪が厚くて骨が分からなければ太り気味。

  3. 上から見てウエストがあるか、横から見てお腹が引き締まっているかも確認。


第3章 体型チェックの例

3-1 柴犬のポチ(体重 12kg)

触っても肋骨が分かりにくく、腰のくびれもほぼゼロ。→ BCS 7/9。理想は 9.5kg くらいなので、週に体重の 0.5%(約50g)ずつ減らすのが目標。

3-2 ラグドールのミケ(体重 6.2kg)

長い毛でスリムに見えるが、毛をかき分けても肋骨が触りにくい。→ BCS 6/9。理想は 4.8kg なので、まずはおやつを半分に減らすことから開始。


第4章 体重計だけじゃ分からないポイント

  • 体脂肪率:家庭用の体脂肪計(ペット用)を使うと、おおよその脂肪量が分かる。

  • 胴回り:犬の場合、胴回り ÷ 体高 ×100 が 50 未満なら標準。50 以上は要注意。

  • 筋肉量:太っていても筋肉が少ないとケガや関節炎を起こしやすい。お散歩や遊びで筋肉もキープしよう。


第5章 太りすぎが引き起こす主な病気

分野 主なトラブル
骨・関節 関節炎、椎間板ヘルニア
呼吸 気道が狭くなり呼吸が苦しい
代謝 猫の糖尿病、犬の高脂血症
心臓 心臓へ負担がかかり不整脈

「ちょっと太ってるだけ」と放置すると、治療費もペットの苦しさも増えてしまいます。


第6章 食事の見直しステップ

6-1 1日に必要なカロリーを計算

  1. 理想体重を決める(獣医師に相談すると安心)。

  2. 計算式:70 ×(理想体重kg^0.75)=基礎カロリー(kcal)

  3. ダイエット中は、この 60〜75% を目安にフード量を調整。

6-2 食べ方を変える

  • 高たんぱく・低脂質フードへ 1 週間かけて切り替える。

  • フードをパズルフィーダーに入れて、早食いとヒマ食いを防止。


第7章 運動プランの作り方

  • 週 5 日、30 分の早歩き散歩。

  • 坂道や芝生で 10 分ダッシュをプラス。

  • レーザーポインターで 5 分×3 セット追いかけ遊び。

  • キャットタワーや棚を使った上下運動を増やす。

ウェアラブル活動量計があれば、歩数やカロリー消費が見えるのでモチベーション UP!


第8章 リバウンドを防ぐコツ

  • 目標体重になったら、カロリーを少しずつ増やし維持期フードへ。

  • 月 1 回は体重と BCS を再チェック。

  • おやつは 1 日のカロリーの 10% 以内におさえる。


まとめ

  1. ふわふわや「かわいい」にまどわされず、さわって BCS を確認

  2. 体重・体脂肪・胴回りで多角的にチェック。

  3. ごはんは計量し、運動は「息が弾むくらい」を目安に。

  4. 月 1 回の見直しでリバウンドを防止。

正しい方法で“かくれ肥満”を早めに見つけ、愛犬・愛猫がずっと元気に過ごせるようサポートしましょう!